――泉は恋に臆病ですが、中川さんが臆病だと思うのはどんな点ですか？
「やっぱり恋関係に臆病すぎましたね。この前『グータンヌーボ』（バラエティ番組）に出たんですが、何をしゃべろう？ ってなっちゃって。気がつけば25歳になって、コンサートでは年齢とかに関係なく、いろんな衣装を着たり、いろんな世界の人になったりはできるんですが、好きなものは変わらずに、新しいところを広げる意味で、もう少し落ち着いて恋とかをするようになった方がいいかなと。普通に経験しておくべきことを全然してないままなので、もうちょっとアクティブにやるべきかしらって思いました。時間は限られているから、1秒たりとも無駄にしたくはないです」

――撮影中、ブログの更新はいつも通り頻繁にしていたんですか？
「それが、この期間ほとんど書いてなくて。まず、ごはんが全然食べられなくなり、ブログも全然書けなくなって。たぶん泉ちゃんになっちゃったからだと思うんですが、今まではどんなに緊張する仕事でも、食べられなくなることなんてなかったのに、撮影で4kgも痩せたんです。それくらい重大な出来事だったんだなって改めて思いました」

――ご自身の半生を描いたコミック「中川翔子物語 ～空色デイズ～」を自分で演じてみたいという思いはありますか？
「ええ～！　あれを？　全部本当の話だけど、自分で書いた物ではないんです。本当に辛くてずっと壁になっていた人生で、ゆるせなかったりやるせなかったり悲しかったりしたことで。でもそれが経験値になって、だからこそ今日があって、明日を作っていけるんだなって、より思えましたが。本当にキモかったんですよ、私。描いた漫画に自分でアフレコしたり、主題歌を自分で作って歌ったりして。ひとりでいるのを悟られたくないから、ロッカーの教科書をずっと入れ替えして忙しく見せたりとか。そういう中学時代を自分でリアルに再現してみたいですね」

――映画「七瀬ふたたび」の前日談を短編映画化した「七瀬ふたたび　プロローグ」で監督デビューもされていますが、いかがでしたか？
「主演を終えて、やっと一段落ついたと思ったら、今度は監督で。『用意スタート、カット』って私が言うことによって、多岐川裕美さんたちがお芝居を始めたりして。すごくテンパりました。中川組って紙がちゃんとできていて、漫画のコマ割りにした絵コンテをお渡ししたり、CGを足すところも自分で描いた絵のイメージでやってもらったりして、また違った視点で映画を見させていただいて感動しました。大変でしたが、25歳になってからそういうこれまでなかったお仕事をさせていただけて、新たに視野が広がりました。去年までなら無理無理って思っていたものも、やってみると楽しいってことがすごくあるなって。無理やりじゃなく、リアルに等身大に歩んでいける感じがして、楽しくなってきました」

――今後、目指したいこと、挑戦したいことは？
「自分で全部物語を考えて、漫画にして、映画にして、アフレコをして、主題歌をやれたりしたら楽しいかなと。そういう妄想はすごくしています。アニメを作りたいですね。また、演技の仕事ももっとやりたいなと。新しいことが重ねていくのは楽しいので、それを深めていきたいです」