VOICE magabon interview

No.148 佐藤浩市(俳優)

デビューから30年続けてきてもチャレンジし続けられるなんて、役者は幸せな商売です。

“忠義”という名の気高く美しい愛が、時代を超えて人々の心を打つ「忠臣蔵」。実はこの史実、まだ物語の途中だった――。池宮彰一郎原作の「最後の忠臣蔵」が、待望の映画化。
舞台は、大石内蔵助以下、赤穂浪士四十七士による討入りから16年後の京都。唯一の生き残りであり、討入りの真実を伝えながら遺族を援助するという使命を背負う寺坂吉右衛門(佐藤浩市)は、かつての無二の友・瀬尾孫左衛門(役所広司)と偶然再会する。実は孫左衛門も四十七士の生き残りで、討入りの前日に逃亡していたが、それは内蔵助から「隠し子を守ってほしい」との密命を受けていたためだった。苛酷な半生を選んだ二人の武士の信義と哀歓が、切々と描かれる。
名誉の死を遂げられず苦しむ吉右衛門役の佐藤浩市は、「忠臣蔵外伝 四谷怪談」(94)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した経歴を持ち、TVドラマ「忠臣蔵1/47」(01)で大石内蔵助としても出演するなど、忠臣蔵に馴染みが深い。
これまでの映像化作品とは一味違う本作の魅力をはじめ、2010年に50歳を迎える役者・佐藤浩市の演技論、人生論も語ってもらった。

佐藤浩市

――脚本をもらって最初に読んだ時の印象は?
「吉右衛門は下級武士だからこそ、美に対して忠実に生きたかった。武士の死生観って“死”から始まっているのに、そうでなく生かされてしまうことの憤りを感じている。そして、孫左衛門は主君の密命のために、不名誉な汚名を着せられて生きなければならない。二人とも死ねなかったことによって、その後の人生までも生き損なってしまった。言い換えれば“死に損ない”なんですよ。華やかな忠臣蔵の世界とはまた違うところの面白さがある話なのではないかと思いました」

――これまでに他の忠臣蔵の作品にも出演されていますが、佐藤さんにとっての忠臣蔵とは?
「赤穂浪士に存在する組織論だったり、四十七士の忠義だったり、自分以外の別のところに生きる目的を置く美徳が、万人に愛されている理由だと思います。ただ、僕が出演した作品は、この映画も含めて“なんちゃって忠臣蔵”なんですよね。決して忠臣蔵の話が中心にあるわけではない。逆に言えば、僕自身がきちっとした忠臣蔵に興味がない。『新選組!』(NHK大河ドラマ)もそうで、正直言って近藤勇には興味がないけど、僕が演じた芹沢鴨には興味を惹かれるんですよ。自分は上に立つ器ではないと知る、彼の切なさがたまらない。それは今回の吉右衛門と孫左衛門に通ずるものだと思うんです」

――本作は役所さんと共演することがオファーを受けた理由の一つだと聞きましたが、今回の共演で感じたことは?
「失礼な言い方ではなく、本当に映画をお好きなんだなって感じました。非常に現場主義な方で、役に対する葛藤の抱え込み方がすごいですよね。そんなに抱え込んだら破裂しちゃうんじゃないの? っていうくらい。僕は抱え込んだとしても、それをどこかで排出しますから。現場で納得いかないことも『これおかしくない? この状況の人ってこうなりますか?』って監督にも言うし。“なんちゃって時代劇”はあってもいいけど、“なんちゃって人間”だけは堪えられませんから」

――時代劇作品の出演も多い佐藤さんですが、出演数を重ねていく中で心境の変化はありましたか?
「先日、機会があって小林正樹監督の『切腹』を当時のフィルムで観たんです。ご存知の通りこの作品には三國(連太郎)も出ていて、僕が子供の頃に感じたほどの厳しさは今観るとそれほどでもないけれど、それこそ“なんちゃって時代劇”じゃないんですよ。出演している役者さんは時代劇から入っているけど、今の役者さんは当然現代劇から入って時代劇をやられる。当時の役者さんの腰の据え方が今とは格段に違っていて、これまで以上にちゃんと時代劇に向き合いたいと思うようになりました」



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