VOICE magabon interview

No.149 役所広司(俳優)

時代劇に出演することによって、日本映画の伝統をつないでいきたいですね。

大佛次郎著「赤穂浪士」をはじめ、これまでに膨大な数の小説、映画、ドラマ、舞台に形を変えて、今も語り継がれている「忠臣蔵」。大石内蔵助を筆頭とする赤穂浪士四十七士の討入り、そして切腹と、気高き武士の姿が描かれるが、実はその先に全く別の物語があった…。討入り後に使命を与えられた二人の生き残りの半生を追う映画「最後の忠臣蔵」が公開。
生き残りの一人は、生き証人として後世に真実を伝えるという使命を受けた寺坂吉右衛門(佐藤浩市)。もう一人は、討入り前夜にすべてを捨てて姿を消した瀬尾孫左衛門(役所広司)。「命惜しさに逐電した」と元赤穂の家臣たちから蔑まれるが、実は内蔵助から隠し子である娘・可音(桜庭ななみ)を守れとの密命を受けていた。それから16年、名前も身分も変えてひっそり暮らしていたが、かつての親友同士であった吉右衛門と思わぬ形で再会を果たし…。
重き務めを背負う孫左衛門を演じる役所は、主演作「十三人の刺客」(10)も公開されたばかり。本作にかける想いを、存分に語ってもらった。

役所広司

――続けて公開となった「十三人の刺客」と「最後の忠臣蔵」。どちらも“侍の大義や使命”を描いていますが、それぞれの魅力と違いについて教えてください。
「『十三人の刺客』は、合戦によって天下のために悪い主君を暗殺するというテーマで、理想的な死に場所を求めて戦います。かたやこの『最後の忠臣蔵』も、四十七士は自分たちの国のプライドを守るために戦い、孫左衛門も吉右衛門も討入りで活躍して来世は主君に生まれたいという夢を持ちながら、それを許されなかった。この二作は活躍のスケールが全然違うわけですけど、使命を全うするところは似ていますよね。役に対するストレスは、『最後の忠臣蔵』の方が感じました。役柄は面白いんですけど、可音や自分自身に対する感情の変化は演じていて辛かったですね」

――孫左衛門には、どんなイメージを持たれましたか?
「孫左衛門は、大石内蔵助の密命をまっとうするためにはいかなる苦労も厭わない。使命のために迷い、苦しみ、強さと弱さを併せ持つ、人間臭い人物だと思います。特に、足軽という軽い身分だからこそ、侍の気持ちを人一倍強く持っていたんじゃないでしょうか。この愚かなまでの不器用な男に、憧れを抱きましたね」

――杉田成道監督はどんな演出をする方ですか?
「杉田監督は『北の国から』シリーズの演出などを手がけているドラマの帝王ですからね。時間はいくらでもかけるというスタンスで、一台のカメラでじっくり撮影をする方でした。僕が吉右衛門に斬りかかるシーンがあるんですけど、そこにいたるまでの心境は監督と話し合いました。監督の想いとしては、刃を交えさせた後に吉右衛門がこれまでの人生を語る、といった流れに結びつけたかった。ただ、いくら『秘密を守れ、誰にも言うな』と言っても、親友を下手したら切ってしまうかもしれないし、どうするんだろうと思って。僕の見解は次元が低かったかもしれません(笑)」

――佐藤さんとの共演の感想、また彼の魅力とは?
「一緒のシーンはあまりありませんでしたが、元々よく知っている仲ですし、本当に好きな俳優ですからね。佐藤さんが現場にパッと入ってきた時は、役とは別に『頼もしい共演者が来た』って感じがしましたね。セリフはそんなに多くなくても目を見合ってお芝居できましたし、こうして共演できたことは嬉しかったですね。彼も色んなジャンルの役をすごく精力的にやっているから忙しいと思いますし、キャリアでいうと彼の方が先輩ですから。昭和の映画監督の作品にも出演していますし、新旧の日本映画の良さについて撮影の合間に話をしました。まぁ、昔話をするくらい、僕たちは歳をとったということですね(笑)」

――一番長く共演されたのは桜庭さんだったと思いますが、撮影中のエピソードは?
「これまで着物を着たことがなく、時代劇も初めてだったから戸惑うこともあったようだけど、勘がいい人だと思いますよ。監督に『セリフになりすぎる』ってよく指導されていましたから、『実際に喋るような気持ちになってみたら』とは伝えました。監督からとても厳しいことを言われても、それを乗り越えてよく頑張ってくれましたね」



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