VOICE magabon interview

No.152 吹越満(俳優)

笑いからはどこにでも行ける。コメディアンという経験を経てきて良かったな、と思いました。

究極の純愛を描いた「愛のむきだし」(09)で、国内外で高い評価を受けた鬼才・園子温監督。世界の映画ファンが注目する彼の最新作となる「冷たい熱帯魚」が、いよいよ公開。監督の実体験と、1993年の愛犬家殺人事件や数々の猟奇殺人をベースに、人間の狂気を描き出す衝撃のダーク・ファンタジーだ。第67回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門に正式出品され、6分間にもおよぶスタンディングオベーションで迎えられるなど、早くも話題になっている。
家庭不和の中、小さな熱帯魚店を営む男・社本。ある日、娘が起こした万引き事件をきっかけに、人がよく面倒見のいい同業者の村田と出会い、急速に親しくなるが、彼こそが猟奇的な連続殺人事件の犯人だった…。
主演は、「たそがれ清兵衛」(02)やドラマ「同窓会 ラブアゲイン症候群」(10)など、多くの映画・テレビドラマに出演。また、15年以上続けている一人舞台「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」では、笑いとアートを融合させた独自の発想力と世界観を披露するなど、常に個性的な魅力を発揮する吹越満。今回も、想像を絶するような血みどろの世界を体験する社本役を、全身余すなきエネルギーで熱演している。そこで吹越満を直撃! 「まるで運命だった」と言うキャスティング秘話から監督の魅力、彼の原点とも言うべき、“笑い”への想いまでを語ってもらう。

吹越満

――破滅の世界へと導かれ豹変してゆく男、社本。強烈過ぎるとも思える役どころは、やりがいがあったのでは?
「実を言うと、1本の映画で、これだけの長い時間を出ずっぱりの仕事って初めてなんですよ。だから、やっぱりやりがいはありましたね。撮影の日は全部、現場にいたんじゃないかな。今日は自分の出番がないっていう日がなくて、ずっと長い間、現場にいられる。そういうこともこれまでなかったので、うれしかったです」

――園監督がいた喫茶店に、偶然吹越さんが入っていらして、キャスティングが決まったという話を聞きました。
「そうなんです。 園さんがこの映画の打ち合わせをしていて、こっちはこっちで舞台の打ち合わせで、たまたまその下北沢の店にいて。帰るときに『園さん』って声かけたら、『おおー!』って。で、『1月、時間ある?』って言うんです(笑)。『はい、あると思います』って答えたんですけど、後で聞いたら、社本役を誰にやってもらおうかな、と何人か頭にあって、その中に僕もいたらしいんですね」

――では、出演をOKしたときは、脚本も内容もご存知なかった?
「全然知らなかったんです。『愛のむきだし』『ちゃんと伝える』とご一緒させてもらって、どちらも1、2シーンだけで。だから、今度も1日か2日行けばいい?みたいに思ってた。それで事務所経由で脚本が送られてきて、『社本役です』って事務所の人間も言うんで、『そうか』と思って読んでいたら、ずーっと社本って書いてあって、『あれ!?』ってね(笑)。でも村田役が、でんでんさんだと聞いて、これは絶対やった方がいいと思ったんです」

――園作品には3度目の出演となりますが、監督の印象をお聞かせください。
「面白い方ですよ。分からないところがいっぱいあるんだけど、それが嫌じゃないというか。撮影に入る前にリハーサルをやるんですけど、お正月ちょっと休んで年明けにリハーサルに行ったとき、突然、監督の眉毛がないんですよ。剃っちゃってる。聞くに聞けないでいたんだけど、後から聞いたら、お酒を飲んだときに、自分で自分に気合を入れるつもでやったらしい。でもちょっと後悔している感じもあって(笑)」

――常に何をするか分からないところがある?
「でもね、ヴェネチアに行った時、上映の前にレストランに集まって『乾杯しよう』って話になったんだけど、園さんは『いやいや』って、ずっとお酒を我慢していた。どうなっちゃうか分からないからって。『でも乾杯くらいどうですか』って言って、ちょっと飲んじゃったら、その後すごい後悔してて。それ位、ちゃんとされた方でもあるんです。それでいて反面に、真逆の状態もしっかりと持っている」

――監督の演出はいかがでしたか。
「園さんの演出方法は、『役者の芝居にしか興味がない』とご自身でも言っていて。山小屋のシーンで血で滑りながら、愛子(黒沢あすか)とやりとりするシーンで、カメラは1カットで、血を使ってやるので、1回しか撮影できない。そのときに園さんが『もう、撮りたい、撮りたい、邪魔なやつはどけー!』って、置いてあったストーブをバーン!と蹴飛ばしちゃって。1回しかできないのに、そのスタートですよ(笑)。でも、だから面白いし、うまくいくんだと思うんです。面白い現場でしたよ」



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