VOICE magabon interview

No.176 河村隆一(俳優・歌手)

どんな人間にも備わっている強い愛情への執着を、代弁できたらと思っています

イギリス人小説家、エミリー・ブロンテによる長編小説「嵐が丘」。映画や舞台など、世界中で様々なバージョンで上演されている名作古典が、このたび多彩なスタッフでミュージカル化されることが決定。
主人公は、荒野にそびえ立つ館「嵐が丘」に迎えられた孤児・ヒースクリフ。当主アーンショウの娘であるキャサリンの存在が唯一の心の支えだった。しかし、アーンショウの死、裕福な隣家の嗣子エドガーの登場など、二人は愛し合いながらもすれ違ってゆく…。奔放で魅力的なキャサリンをめぐるそれぞれの激しい感情のぶつかりあいが、舞台でしか見られない迫力と感動で、物語を立ち上げる。
主演ヒースクリフには、初挑戦の舞台「ミュージカル CHICAGO」で歌唱力・演技力ともに絶賛を浴び、そのミステリアスな存在感で人気の河村隆一。キャサリン役は、人気声優の平野綾と、舞台女優としても活躍する安倍なつみがダブルキャストで挑む。
実力派が揃う本作への想いを探るべく、河村に単独インタビューを敢行。これから始まる稽古への意気込みのほか、自身がボーカルを務めるLUNA SEAの活動についてもたっぷり聞いた。

河村隆一

――まず、ライブツアーとミュージカルのモチベーションの違いはありますか?
「『CHICAGO』の時も思ったんですけど、音楽家は短距離走を走っているような感じなんです。ツアーのリハーサルは10日間程度に対して、ミュージカルの稽古は1~2ヶ月半くらいあります。そう思うと、ミュージカルは稽古場でも本番でも、新鮮な気持ちをキープし続けることが一番難しいかもしれないですね」

――歌い方も違いますか?
「かなり違うと思います。音楽の唱法やアレンジには、必ず時代背景があるんですよ。ロックでも、今と10年前とではキーが違っていたりと、流行が色濃く反映されていて。今回のミュージカルは昔の時代を今に蘇らそうとしているので、当時の音楽はどうだったのか、またその作品に対して作曲家の倉本裕基さんがどういうトレンドを当てはめようとしているのかを理解したうえで、歌い方を決めていきたいです。平たく言えば、僕が歌うのは河村隆一の歌ではない。ヒースクリフという語り部の歌と思って歌います」

――「嵐が丘」の原作や映像化された作品をご覧になったことはありますか?
「話は知っていましたが、原作をしっかり読んだことがなかったんです。原作よりも先に映画(39年、ローレンス・オリヴィエ主演作)が手に入ったので、まず映画を観て、この物語ならやらせていただきたいと二つ返事でオファーを受けました。映画を観て思ったのは、芝居の記号が少ないなと。怒りの感情は表に出ているけど、内面の弱さはあまり表に出さないように、ある種のポーカーフェイスで隠されている。愛憎劇って人間のわび・さびが出てくるものだと思うので、怒り以外の感情を淡々と表現することで、ミュージカルに深みを与えられるのではと考えています」

――ヒースクリフという人物をどう分析していますか?
「激動の人生を送るがゆえに、人間として欠落している部分がある。好戦的な態度を表現することがすごくうまいのに、自分の弱さを愛する人になかなか伝えられないんです。あとは、相手の考えや立場を思いやる余裕がなかったり。しかしそれは決して悪いことではなくて、人間はただ物分りが良いだけではダメだと、ヒースクリフは教えてくれている気がします。だからこそ、猪突猛進にキャサリンへ愛をぶつけていくのだと思います」

――激しい愛憎劇が見物となりそうですね。
「いい意味でエッジィな、偏りのある作品だと思うんです。でも、その偏りの基となる強い愛情への執着というのは、どんな人間にも備わっているものだと思うんですよ。観に来てくださる皆さんも、普段は言い出せない本音や過去に失った恋への想いを打ち消しているはずで。その心の奥底に眠る感情を、代弁できたらなと思っています。楽しむこと自体がSFのようになっている今の時代、舞台を観ることでかえって温かい気持ちになれるのではと考えています」



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