VOICE magabon interview

No.187 浅野忠信(俳優)

浅野忠信

――ハリウッドの現場はいかがでしたか?
「すごくワクワクしたし、びっくりしました。特にニューメキシコのセットがすごく印象深かったです。空気感や広さ、セットは見えないところまで完璧にできていました。映らない店の中にもちゃんと商品がありましたが、最後はそれを全て焼き尽くすでしょ。一回も使ってない車でさえメチャクチャにしたし、全部バンバン燃やしていました。コスチュームもハードな本物バージョンやアクションのやりやすい柔らかいバージョンがあって。武器も本物の重い鉄バージョンやソフトなアクション用バージョン、さらにソフトなバージョン、そしてピンが出ている本物、偽物みたいな感じで。僕の武器だけで12本くらいありました!」

――浅野さんはアート系映画志向のイメージが強いですが、一番好きな映画は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」だそうですね。
「まさにその通り。別に僕は格好つける理由もないし。俳優だったら一度は誰が見ても面白いと思える映画に出たいんですよ。正直、ギャップを感じます。『あいつは映画人だ』みたいに思われていますが、実は映画について全然詳しくはありません。小さい頃から好きなジャッキー・チェン作品を見て喜んでいたまま大人になった感じなので。だから今回『マイティ・ソー』に出ることが、一番皆さんを裏切る手段になったかなと。『浅野、どうしたんだ?』ってなると思いますし、実際自分がやらないようなスタイルの演技をしたので。でも、自分のスタイルなんてどうでもいいし、この先も気にする必要はないと思っています」

――浅野さんは俳優としての可能性をずっと追求されてきましたが、本作出演は感慨深いのでは?
「可能性を実感するのは、辛い時間を過ごした後だと思うんです。それには長い時間がかかる。もちろん、諦めていたことかもしれないし、待ったつもりもないけど、時間が解決してくれて、あの時欲しかったものがこういう形で来たんだという可能性は感じます。時間が長ければ長いほど、可能性は大きな形で返ってくると思います。諦めてもいいけど、心のどこかで根強く思っている何かがあれば、それは違う形で必ず可能性を与えてくれると思います。僕は諦めが悪い方ですから、20年経ってようやくハリウッド映画に出会えました」

――本作に出演したことで、俳優としてのスタンスは変わりましたか?
「俳優っていう意味を自分の中で組み立て直す必要はありました。僕は別にスターになりたくて俳優になったわけじゃないので、そう考えると自分はピエロでしかないと思うんです。ピエロは笑わせてなんぼ、怒られてなんぼですから。現場でみんながピリピリしていると思ったら、ひとつくだらないことをやって怒られたりとか(笑)。でもそれをやると、ちょっと現場の空気が変わるんです。それが俺の役目かなって思うし。俳優がふざけないで誰がふざけるんだって感じなので。俳優がいい子にしている現場なんて僕は嫌ですね」

――ケネス・ブラナー監督の演出はいかがでしたか?
「本当にユーモアのある現場で、それがこんなにいい形で出たのは監督のおかげだと思います。ユーモアに奥行きがありました。また、人を良く見ていて、その人によって違う演出をしていたと思います。『昨日何食った?』って感じの日常会話も含めて、全部演出に入ると思いますね。僕はコミュニケーションをあまり会話ではとれなかったけど、監督はいつも『元気か?』ってハグしてくれて。通訳さんが『もっと、彼に言わなくていいの?』って言っても『大丈夫、あいつは分かってる』って言ってくれたりして。みんなが監督の魅力に引き込まれていったと思います」

――ケネス・ブラナー監督から「今度は僕が君の監督した作品に出るよ!」 と言われたそうですが。
「すごく嬉しかったです! 僕がこの先、映画を作ることがあったら本当に出てほしいと思います」

――本作の後、「47RONIN」や「バトルシップ」とハリウッド映画の出演作が続きますが、今後の俳優活動の拠点は海外になるのでしょうか?
「本作を撮った後『これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫』を撮って、それから渡米して、また日本に帰ってきてから邦画を2本撮りました。そういう意味では日本映画の方が多いので、全然心配せずに、というか、『心配なんかしてねえよ』って言われるかもしれないですが、逆に心配してください(笑)。日本の映画関係者の方は今後も必ず僕を使ってください!」

Photo : Megumi Nakaoka

マイティ・ソー
(C)TM &(C)2010 Marvel(C)2010 MVLFFLLC. All Rights Reserved.

マイティ・ソー
2011年7月2日(土)より
丸の内ルーブル他全国ロードショー



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