VOICE magabon interview

No.214 安藤政信(俳優)

チェン・カイコー監督や中華圏映画との出会いがなければ、
この役は自分の物にはならなかった

安藤政信が「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(07、三池崇史監督作)以来4年ぶりに出演した日本映画が、石井克人監督作「スマグラー おまえの未来を運べ」だ。演じたのは伝説の殺し屋・背骨役で、短い期間に体を絞り上げ、ストイックに役作りをしたという。
「闇金ウシジマくん」の真鍋昌平の同名コミックを映画化した本作。「スマグラー」とは、ヤバイ“ブツ”を運ぶという裏社会の運送屋のことだ。安藤が演じた背骨は、俊敏なヌンチャク使いが実にクールだが、撮影中に肋骨を折るなど、かなり追い込まれながらも、ハードなアクションにトライした。
日本映画界から遠ざかっていた4年間、彼はチェン・カイコー監督作「花の生涯~梅蘭芳~」を皮切りに、中国映画「刀見笑(トウジェンシャオ)」や台湾映画「セディック・バレ」などに出演し、アジアにフィールドを広げて活動してきた。海外での武者修行が、安藤をどんなふうに鍛え上げ、成長させたのか? 本作の映像の中にもその手応えはしっかりと映し出されているが、やはり本人に話を聞いてみたいということで、安藤を直撃した。
彼の口から語られたのは、石井克人監督や、「69 sixty nine」以来の共演となった主演の妻夫木聡に対する思いや、海外で感じた役者としてのスタンスなど。しっかりと自分の信念を語る彼の瞳の奥で、映画への情熱がたぎっているのをひしひしと感じた。

安藤政信

――最初に原作コミックを読んで役作りをされたんですか?
「漫画は読みましたが、短期間で漫画的な体を作るのはどう考えても無理だし、漫画の中の背骨はマシンのように見えちゃって。もし自分が演じるのなら、もっと心を入れて人間っぽいヤツにしたいと思ったんです。背骨は今いる世界しか知らず、ただ、そこで必死に生きている。その姿はみんなが見たら悲しみを覚えたりするんじゃないかと。透明感がある男にしたかったんです」

――兼ねてから熱望していた石井組に参加してみて、いかがでしたか?
「やっと石井さんが作り出す世界観の一部になれたなあって。『鮫肌男と桃尻女』から石井さんの作品はずっと観ていました。『キッズ・リターン』の後に出演した『イノセント・ワールド』のプロデューサーから、次、石井さんの新作を撮るって話を聞いたんです。それが、『鮫肌~』。その当時の日本映画とは全く違う世界観で、いつかこの人とやりたいと思いました」

――「イノセント・ワールド」が1998年の映画だから、かなり時間が経ちましたね。
「そうなんです。『RED SHADOW 赤影』の撮影が終わってから、一度石井さんに会いに行ったこともあるんです。それでもオファーがなかったから、この人とはもしかして縁がなかったのかもしれないって諦めかけた時、背骨役が巡ってきたんです。中国語のセリフにしても、アクションにしても、すごく大変な役で、もしチェン・カイコー監督と出会わず、この4年間の中華圏の映画もやってきていなければ、この役は自分の物にはならなかったなと思いました。少し遠回りはしたけど、結果的にすごく素敵な役を石井さんからもらえたんですよね」

――4年ぶりの日本映画出演ということで、どんな想いがありましたか?
「きっと、みなさんの意識の中の僕は『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』から止まっているんでしょうね。俺はそこから4年も海外で民族性を越えながら、旅するようにずっと映画をやってきて、その間、成長してきたとは思っている。でも、みんなの中ではそうじゃないから、まずは空になって止まっていた物を埋めたいなと思ったんです。とにかく必死で日本の人に見てもらいたいと思ったし、海外に出てみたら、日本のことをすごく想うようになりました。特に中国や台湾では戦争の歴史もあり、その日本人に対する視線を感じながら仕事をしていくわけで。また、中国映画や台湾映画で海外の映画祭のコンペに行きましたが、やっぱり自分の国の作品で行って、自分たちがやったことに対して敬意を表されたら絶対に嬉しいだろうなとも思いました。海外に行ったことで、逆に日本映画を大事にしたいと思うようにもなったんです」



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