VOICE magabon interview

No.220 中川翔子(マルチタレント)

ジャッキー・チェンの吹替えの石丸博也さんの声が聞こえた瞬間、
鼻血が出そうになりました!

歌手、女優、声優、漫画家、ブロガーなど、多彩な顔を持つ“しょこたん”こと中川翔子。大ファンであるジャッキー・チェンの映画出演100本目の記念作「1911」に、日本語吹替版の声優として参加。オファーをもらった時は「10年の時を超えた大スペクタクルミラクルでした!」と感激したという彼女に単独インタビュー。
中華民国建国のきっかけとなった辛亥革命に命を懸けた英雄たちを描く「1911」は、構想10年、総製作費30億円をかけた、ジャッキー・チェンによる渾身のプロジェクトだ。ジャッキーは本作の総監督を務めながら、“中国革命の父”孫文の右腕、革命軍司令官・黄興役を熱演。「レッドクリフ」の撮影監督チャン・リーもジャッキーと共にメガホンをとった本作は、重厚な歴史ドラマに仕上がった。
また、黄興の妻となる徐宗漢役を気高く演じた人気女優リー・ビンビンや、革命の戦士・張振武役でジャッキーの息子・ジェイシー・チェンが出演している点にも注目。しょこたんは、革命で散った林覚民の妻・陳意映の声を当て、未亡人となった切なさと母親の強さを体現した。どんな心境で本作に携わったのか、その舞台裏とジャッキー・チェンに対する想いを語ってもらった。

中川翔子

――まずは、ジャッキーとの出会いから聞かせてください。
「最初に本作のオファーの話を聞いた時、母と手を取り合って崩れ落ちながら涙を流しました。大げさではなくて、私が今生きていて、今この仕事をしているのも全部ジャッキーさんのおかげなんです。13歳の時、まずブルース・リーにハマって、最初ジャッキーさんは彼のライバルだと勝手に思い込んでいたから、敢えて作品を見ませんでした。でも、我慢できなくなって、『酔拳』や『酔拳2』、当時映画館でやっていた『Who am I?/フー・アム・アイ?』 などを観たらノックアウトされました。ブルース・リーが伝説ならジャッキーさんは生きる伝説となって、どんどんハマっていって。当時、自分に自信が持てなくて日々暗かったんですが、ジャッキーさんの映画を観ると笑顔になれたんです」

――実際にジャッキーと運命的な出会いをされたそうですね。
「10年前は、生きていて何もいいことがないし、消えてしまいたいと思っていたけど、一つだけ夢が叶うのなら、ジャッキーさんを生で見たいなって母と話していたんです。それで16歳の誕生日に、母と一緒に香港のジャッキーさんが経営されているレストランへ行ったら、斜め前にジャッキーさんが座ってて! 世界的なスターが食事中にファンに見つかったら最悪だろうと思って、最初は声をかけないようにしてたんです。でも、ジャッキーさんは私にとって神様なので、号泣しながら震えてしまいました。当時、貧乏だったけど、ジャッキーさんのレストランだったので、エビやアワビなど高いメニューをいっぱい頼んだのにのどを通らなくて。そしたらジャッキーさんが私たちに気づいて『どこから来たの? どうしてごはん食べないの?』って日本語でいっぱい話しかけてくださったんです。私は泣きながら『今日誕生日なんですが、こんなに特別な日にあなたにお会いできるなんて、生きていて本当に良かったです』って伝えました。そしたら、当時ジャッキーさんはケガをしていたのにこっちまで歩いて来てくれて、自分のスペシャルなカードに「To Shoko Happy Birthday! With Love Jackie Chan」ってサインを入れてプレゼントしてくれたんです」

――ジャッキーとの出会いで、中川さんの人生が変わったわけですね。
「その時、会計もジャッキーさんがしてくれて、おまけに見えなくなるまで笑顔で手を振ってくださって。母と共に『ジャッキーさんから返しきれない奇跡をいただいたので、どういう形でもいいからいつか恩返しができるように生きていこう』と心に誓ったんです。その後、まさか芸能界に入るとは思ってなかったんですが、実はジャッキー・チェン事務所の日本支部に所属しました。でも、うまくいかず、弱い心に何度かくじけそうになったけど、頑張っていって。そしたら、あるバラエティー番組で、偶然来日していたジャッキーさんにお会いできたんです。それで『16歳の時、あなたにごはんをご馳走してもらい、サインをもらって嬉しかったです』と言ったら『今度は僕にサインをちょうだい』って言ってくださって。どこまでカッコイイんだろうって。だから、今回、この仕事は、私にとって歴史に残る大きな出来事でした」

――本作でジャッキーが演じた革命軍司令官・黄興役についてはどう思いましたか?
「これまで『酔拳』や『ポリス・ストーリー』、『ヤングマスター』など、いろんなヒーロー像を演じてきたジャッキーさんが、また新たに実在のヒーローを打ち出されたんだって思いました。大きな歴史の裏には犠牲になったたくさんの命があって、そのことをジャッキーさんが、100本目の記念作品として残すことを決められた。その歴史の生き証人になれたこと自体がすごいことだと思いました」

――近年、深みのある人間ドラマにも出演しているジャッキーについてはいかがですか?
「『新宿インシデント』とかもそうでしたが、最近のジャッキーさんはカンフーアクションだけじゃなくて、お芝居で生きる力や夢を表現してくれています。また、本作では、ジャッキーさんが監督、主演、武術指導などいろんなことをされている。だから、ジャッキーさんがこれまで演じてきたたくさんの素晴らしいヒーローたちの歴史を思い返しながら本作を見ると、また新たな挑戦をされたんだと感じます。ジャッキーさんからは笑顔や勇気、生きる力をもらったので、その恩返しができるよう、私も非力ではありますが、出会った人におすすめしまくります」



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