――板尾監督の役はいつも台詞がほとんどないのが特徴です。これは実際のご本人像に近いですか?
I「近いですね。お芝居は台詞が少ない方が好きなので。自由やし、伸び伸びできるというか。台本をもらって役を演じる時に、自分なりに『こういう人やな』とか『この場面はこういう気持ちやな』って考えるんですけど、台詞と感情があんまり合ってないことが多いんですよね、人の作品に出る時は。もちろんものによりますけど。『これじゃアカンかな?』って思うことが多い。自分なりに試したりするけど、『この台詞は要らない』って思っても『やってください』と言われたらやらないといけないし。言いたくないことがすごく多いんですよ。変に説明的になって。言葉で説明できない気持ちもあるし。僕は、夫婦でも親子でも友達同士でも『どういうつもり?』って聞かれてもノーコメントのことが多いですから」
S「えーー(笑)。『どういうつもり』っていう質問の内容が知りたいです」
I「『なんでこれがここにあるの?』って聞かれても『持ってきたの俺やけど、なんでだろう?』っていうのがすごいあるんですよね。まあでも、元々あんまり説明的なことが好きじゃないっていうのはあります。今回は極端な演出ですけど、成立するのであればそのまま行ってみたいなと。前半は目も片っぽしか出てないし。テレビのわかりやすい世界もいいですけど、やっぱり映画だし、もっとじっくり考えて観てもらいたいというのがある。それに言葉もなくて片目しか出てなかったら気持ちはすごい入りますよ。俺は怒っているとか悲しいとか台詞で言えたら楽じゃないですか。でも台詞がないから気持ちを入れるしかない。だからすごく役に入れます」
――板尾監督から見た女優・石原さんはいかがでしたか?
I「監督していても一緒にお芝居していても、形じゃないお芝居というか気持ちがすごくあるんですね。表情がね、段階がいくつもあって。モニターでチェックしていて、すごい…良い顔するなと。そういう場面は何回もありました。色んな表情持っているなと」
――そういうことは現場で言われたりするんですか?
S「今初めて言われました(笑)」
I「表情ってね、3パターンか4パターンくらいの人が多いですよ。今回はもうじーっくり見ましたからね」
S「やーーだーー(笑)。なに!」
I「12色の色鉛筆しか知らなかったのが24色を知ってしまったみたいな。いや、もう、すごい見てますからね! 寂しい顔する時も段階があるし、怒っている時も強弱があって、その中にも複雑に常に動いている感じがする。ひとつの顔で満足しないという」
――でも「今の顔よかったよ!」みたいなことはなかったと。
S「でも逆に言われたら意識しちゃいますよね」
I「言えないですよね。あんまり現場で褒めてもね。役者としてたまには言われたいですけど、そんなに言われても辛いですよ」
――では、わりと石原さんが思ったまま演じていた?
S「世界観とか雰囲気みたいなものは自分なりに理解して撮影に入って、あるシーンをテストでやってみて『こういうシーンだからね』って言われた時に自分の想像とは違ったみたいなことはありました」
I「大変やったと思うし、戸惑いはあったと思います。この言い方をしたらこういうお芝居になったから、ミスリードしたままやってもらったりしていたので。彼女の気持ちは違うかもしれないけど、それはそれでいただいたりもしました」
――板尾監督はこれまでの二作ともご自分で脚本を書かれましたが、原作ありきで作ってみたいという願望はありますか?
I「うーん…、ないですね。これと言って思い浮かばないです」
S「私は板尾さんが見たばっかりの夢を映像化して欲しいです。見た夢を起きてすぐに書き出すアーティストの方とかいるじゃないですか。それが面白かったりするので、板尾さんの頭の中をもっと覗いてみたいです」
Text : Kazumi Namba
Photo : Megumi Nakaoka
(C)2011「月光ノ仮面」製作委員会
「月光ノ仮面」
2012年1月14日(土)より
角川シネマ有楽町他全国ロードショー
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