VOICE magabon interview

No.232 五十嵐信次郎(俳優)&吉高由里子(女優)

シンデレラボーイなんて書かれましたが“シンデルジジイ”です(笑) (五十嵐)
魔法が溶けた感じになっちゃうからダメですよ(吉高)

「ウォーターボーイズ」(01)、「スウィングガールズ」(04)、「ハッピーフライト」(08)と、作品を発表する度に日本中を笑いの渦に巻き込んできた矢口史靖の監督最新作は、ロボット×ジジイで「ロボジー」。73歳で映画初主演を果たしたのは、ミッキー・カーチスこと五十嵐信次郎。ヒロインは「婚前特急」で名コメディエンヌぶりを発揮した吉高由里子だ。
今回も設定が実に愉快。ある日、家電メーカーのワンマン社長が窓際社員に二足歩行ロボットの開発を突然命じ、誕生した“ニュー潮風”が、ロボット博という晴れ舞台の一週間前に大破! ロボット開発部の3人のダメ社員は、ロボットの中に73歳のおじいちゃんを入れてその場凌ぎをするが、ニュー潮風が予想外に人気を博していく。
主人公・鈴木重光役の五十嵐信次郎、ロボットオタクの少女・佐々木葉子役の吉高由里子をはじめ、家電メーカーのへっぽこ社員トリオに扮した濱田岳、川合正悟(Wエンジン・チャンカワイ)、川島潤哉など、個性豊かな面子が笑いのツボにジャブを入れていく。この凸凹アンサンブル演技がたまらなくいい。
200人以上のオーディションで主演の座を勝ち取った“シンデレラボーイ”五十嵐信次郎と、とことんハジケたコメディエンヌの吉高由里子に直撃インタビュー。二人のツッコミ合いトークをたっぷりどうぞ。

五十嵐信次郎&吉高由里子

――五十嵐さんは映画初主演が決まった時、どんな気持ちでしたか?
五十嵐信次郎(以下I)「矢口映画のファンでこれまでの作品は全部観ていたので、ラッキーだなあと。矢口映画に出られる、しかもこの年で主演ってことで、過去をかなぐり捨てて、全く新人のつもりでやりました。シンデレラボーイなんて書かれましたが“シンデルジジイ”ですよ(笑)」
吉高由里子(以下Y)「魔法が溶けた感じになっちゃうからダメですよ。シンデレラボーイってことで」

――実際、主人公を演じてみていかがでしたか?
I「この年になると三行以上の台詞は無理なんです。“三行革命”って言っていますから(笑)。だけど、矢口映画の台詞っていつも自然で、変な説明台詞とかがないじゃないですか。無駄なところがないので演じやすかったです」
Y「いや、(五十嵐さんは)台詞はちゃんと入っていましたよ。私なんて23歳ですが、二行以上は無理ですから。特に今回、専門用語とか言ったことのないようなセリフが多かったので、すごく大変でした」

――矢口監督はどんな方でしたか?
I「つかみにくいですね。何を考えているのか分からないし。でも、すごく観察されている気がしました」
Y「確かに不思議な方でした。こうしてくれ、ああしてくれってのを言わず、最初は『好きなようにやってくれ』って言われました。矢口監督は絵コンテを必ず書いている方なので、実際に監督の頭の中には、どういうアングルで、どういう動き方をしてほしいっていうのがあるんです。でも、絵コンテは役者には見せず、まずは自由にやらせてくれて、その中で新しいものを取り入れたりするんです」
I「今回、全く新しいところを引き出してもらいました。カッコ悪さというか」
Y「今まで、二枚目の部分しか見せたことがなかったですもんね」
I「二枚目じゃないけど、ヒゲを剃って髪も刈って、自分が全くやったことのない役を挑戦したもんですから。役柄が73歳で、今ちょうど自分も73。もっと上は演じたことがあるんですよ。90代とか、300歳の天狗の役とか。でも、リアルタイムで73歳のおじいさんはこういう感じかなって。俺はロックをやっているから別だけど」

――ミッキー・カーチスではなく俳優・五十嵐信次郎として現場入りすると、違う人格が形成されたりするのでしょうか?
I「俳優としてやる時は、毎回その役の人格になっているから、別にそんな事はないね。今回、お尻も見せていますが、あれは台本に書いてなくて、本番直前に監督から出してって言われたんです」
Y「いきなりですか? お手入れとかしたいですよね?」
I「しねえよ。ケツなんだから(笑)。俺は何でもOK。でも逆に、監督はそんな俺に驚いたみたい」



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