VOICE magabon interview

No.256 渡部篤郎(俳優)&真木よう子(女優)

僕はこの作品に関しては自信があるんです。これからの日本映画の力になってくれれば嬉しい(渡部)
大変ではあったけれど、今回のようにどっぷり浸かれる役の方が好きなんです(真木)

実在する対国際テロ捜査の諜報部隊・警視庁公安部外事課を題材にしたTVドラマ「外事警察」。これまで誰も手をつけることができなかった裏の世界を描き、緊張感あふれる展開で魅了する良質なドラマとして話題になった本作が、映画「外事警察 その男に騙されるな」となって登場。小説家・麻生幾の「外事警察 CODE:ジャスミン」を原案に、リアリティを極限まで追求した重厚感あるエンタテイメントに仕上がった。
朝鮮半島から凝縮ウランが流出し、日本で核テロの危機が勃発。刻一刻と迫る核の危機。日本に潜伏する“獲物”たちと外事警察によって騙し合いの頭脳戦が繰り広げられる。
“公安の魔物”と呼ばれ、人の心を巧みに操る主人公・住本健司を演じるのは渡部篤郎。住本ら外事課に“協力者”として操られる民間人スパイ役に真木よう子。その他、尾野真千子、田中泯、遠藤憲一、余貴美子、石橋凌といった豪華俳優陣が集結。実力派たちが魅せる演技合戦は、手に汗握るほどだ。
そこで、渡部篤郎と真木よう子を単独直撃! 一癖も二癖もある役柄の印象から、映画の見どころまで、たっぷりと語り合ってもらった。

渡部篤郎&真木よう子

――まず、映画化の感想を教えてください。
渡部篤郎(以下W)「ドラマの撮影が終わって、色々な方に評価していただいて、ここまで来れたなって。僕はこの作品は、娯楽作、エンタテインメントだと思っていますので、楽しんでいただけたらなと思います。お客様が喜んでくだされば、僕にはそれが一番。それ以外ないですから」
真木よう子(以下M)「私は今回のお話をいただいてから、ドラマを見たのですが、すごく面白くて惹かれた作品だったので、この物語の世界に入れることがとても光栄でした」

――脚本を読んだ印象はいかがでしたか?
W「外事が題材の作品で、住本がずっと追っていた事件がやっときたなと思いました。テレビでは細かいディテールを描いていきましたが、映画ではものすごく大きなテーマに挑みます。あとは感想や印象というより、僕はすぐにどうやってやろうとか、お芝居のアプローチの方に頭がいっちゃうんですよね。脚本に書いてあることを見せていくというのは、それは大変な作業ですから」
M「私もそうですね。初めて脚本を読んだ時、読めば読むほど、果織という女性に感情移入していったんです。果織は、母親として、とても良いとは思えない過ちを犯してしまった女性だけれど、その過去に悶々としているだけではなく、立ち上がらなければならないという状況に追い込まれて、どんどん強くなっていく。その彼女の力強さに惹かれて、ぜひこの役をやってみたいと思いました」

――初共演となりましたが、お互いの印象はいかがでしたでしょうか?
W「素晴らしい方ですよ。真木さんはいくつ?」
M「今年で30歳になります」
W「僕が30歳のときより、はるかにしっかりとした芝居をする。素晴らしいです」
M「とんでもないです! 私は、まったくお世辞じゃなくて、渡部さんは本当に憧れていた俳優さんだったので、すごく共演が楽しみだったし、色々なシーンで勉強させていただきましたし、助けていただきました」
W「もうね、芝居は出たとこ勝負だからね。僕は年上だとか、キャリアだとか、主人公だとかは関係ないと思っている。その人の声を聞いて、目を見て、お芝居をする。田中(泯)さんにしても、(石橋)凌さんにしても、そういう心構えがあるから、楽しいんだよね。もちろん台本がベースにありますが、みんなとコラボレーションして、芝居をしていく内に自分が考えている以上のものが出てくる。それは楽しいですよ」

――“公安の魔物”と怖れられる住本は国益を守るためには手段をいとわない男です。渡部さんは演じてみていかがでしょうか。
W「演じていて、精神的にしんどいときもあります。でも、それはしょうがないですね(笑)。俳優という職業をやっていれば、この役に限らず少々そういうことはありますから。僕は演じる上で、逃げ道を考えたりすることはしたくない。しんどくても、それも全部楽しんでしまえと思っています。僕はね、住本は決して魔物ではないと思うんです。“罪”という悪があるとしたら、“正義”という悪で対峙しているだけだと思うんです。彼を突き動かしているのは正義感。ただ正義感が強い男だと思います」
M「果織として考えると、住本に対しては、やっぱり『あなたたちが来なければ平和だったのに!』という思いですよね(笑)。でも結果的には、外事警察に利用されたことによって、自分の娘との向き合い方も変われて、前に進めた。果織としては、すごく希望のある人生に向かっていく作品なので、とてもいいなと思ったんです。果織は自分の問題にちゃんと向き合おうとしないで、平和なフリをしてきた人ですから」

――住本と同じく、彼に追い詰められる果織役も精神的にヘビーな役どころです。撮影はいかがでしたか?
M「大変ではあったんですが、でも私は、どちらかというと果織のようにどっぷり浸かれる役の方が好きなんです(笑)。軽い映画もたまにはいいけど、撮影中はずっと家に帰りたくなくて。果織でいる間は、本当にずっとテンションが高かったので、“ドーン!”と現場でテンションを上げて、家に帰って、また現場に行って“ドーン!”と上げ直すのが大変。だったら、しんどくてもずっと現場にいた方が、果織として良いものが出せるんじゃないかという欲が出てきて。現場に泊めさせてくれないかな、と思っていたくらい(笑)」
W「この現場は、本当にプロが集結したなんだよね。ひとつのものを作っていく、ゆとりみたいなものがちゃんとある。それなりのゆとりだったりキャパシティがないと、良い現場は作れないですから」



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