VOICE magabon interview

No.261 橋本愛(女優)

仕事への愛をすごく感じた現場
女優としての人生を歩む覚悟ができました

今、最も日本映画界を賑わせている若手女優が、16歳の橋本愛だ。「告白」(’10)で注目され、2012年は「HOME 愛しの座敷わらし」、「貞子3D」、「Another アナザー」など出演作が続々と公開。落ち着いたたたずまいの中に、意志の強さを感じさせる瞳が印象的な彼女。最新作となる「桐島、部活やめるってよ」では、普通の高校生・女子のリアルな心情表現に挑戦している。そこで橋本愛にインタビューを敢行!
原作は早稲田大学在学中に第22回小説すばる新人賞を受賞した、朝井リョウの同名小説。メガホンを「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(’07)で数々の映画賞を受賞した吉田大八監督が取る。バレーボール部のキャプテンだった桐島が、ある日突然に部活をやめたことをきっかけに起きる周囲の変化を、複数の人物の視点から描き出す本作。“桐島の不在”が起こす渦に巻き込まれ、次第に各キャラクターの本心や人間関係が不穏に浮かび上がる。その様は衝撃的でありながらも、それぞれの“今”を生きる姿が強く心を打つはずだ。
橋本が演じるのは、バトミントン部の東原かすみ役。役柄の印象から、大いに刺激を受けたという撮影現場、女優への思いまでをたっぷりと語ってもらい、橋本愛・16歳の“今”に迫る!

橋本愛

――もともと原作を読まれていたそうですが、オファーの感想を教えてください。
「そうなんです。映画のお話がある前に原作を読んでいました。私、結構そういうことが多くて。『告白』も読んでいましたし、他の作品でも、ちょうどその時に読んでいる本だったりすることもあって。でも実は、かすみ役に決まったと聞いた時は、原作を読んだのが、かなり前だったので、『あれ、かすみって誰だっけ?』って思ったんです(笑)」

――原作の印象を教えてください。
「表紙がすごく好きで購入したんです。タイトルも印象的でしたね。朝井さんのことは、この本で初めて知ったのですが、表現がすごくきれいで、自分の好きな世界観だなぁって思って。作品の中で、自分にとって等身大の人物達が葛藤したり、あらゆることで悩んでいる。ストーリー展開の起伏はそれほど大きくないのですが、実は登場人物達は、ものすごく激しく心が揺れ動いていて。それがドラマチックで、好きでしたね。女の子の心理描写もすごくリアルに描かれていて! 実際、朝井さんともお会いしたのですが、『よく、女性だと思っていたと言われる』とおっしゃっていました(笑)。『女の子の心理描写も、全部想像によるものだ』って。観察力にすごく長けている方なんだと思います」

――脚本では、かすみ役のイメージが膨らまされたものになりました。映画のかすみ役の印象は?
「他のキャラクター達と比べて、っていうのもおかしいですが、かすみにはつかみやすい個性というものがないんです。でもこの映画の中では、ヒロインとしてのポジションを担っている。どうやったら、かすみをヒロインとして立たすことができるかは、かなり悩んで考えましたね。リアルで自然なお芝居をすることも課題だったし。やはり、内面をしっかりと演じるしかないなと思って、その点では監督の演出にもとても助けられました」

――橋本さんご自身、かすみと似ているところはありましたか?
「かすみ役はとてもリアルな存在だと思うんです。かすみの生き方や人との接し方は、とても私と似た部分があって。私も亀裂や波紋を避けて、平和に生きていこうとする方なんです(笑)。自分を解放しつつも、周りを見渡しながらバランスをとっているところがある。なので、かすみには共感もできたし、感情を理解することもできました。それに、私も中学生の頃は、かすみと同じバトミントン部だったんです。だから、『この子なら、ラケットもすぐに使えるし』みたいな感じで、かすみ役に選ばれたのかな(笑)。時間もあまりない中、1年のブランクもあったので、バトミントンをやっていた頃の感覚を取り戻すのは大変な作業でしたが、経験者としての強みは、少なからずありましたね」



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